ランクル250のAピラーとDピラーにある「切り返し」の理由とは?

ランクル

ランドクルーザー250(以下、ランクル250)を見ていて、AピラーやDピラーとルーフの境目にある切り返しが気になった方はいませんか?
私自身、初めて実車を見たときに「この段差、なんであるんだろう?」と疑問を持ちました。調べてみると、これはトヨタの開発陣が意図的にデザインしたもので、明確な理由があったのです。

今回は、その3つの理由をご紹介します。

画像引用元:トヨタHPランクル250

1. ツートンカラー時の境界線

まず1つ目は「ツートンカラー仕様時のデザイン性向上」です。
ランクル250はボディとルーフを別色にするツートンカラーが選べますが、その際にこの切り返し部分が境界線として機能します。

もし切り返しがなかった場合、ボディとルーフの塗り分けラインはピラー途中に入るため、仕上がりがやや不自然になる可能性があります。
切り返しを設けることで、塗り分けラインが自然に見え、塗装時の作業性も向上するわけです。

ソース トヨタ開発陣渡辺主査のインタビューより

2. 往年のランクルらしい「分厚いルーフ感」の再現

2つ目の理由は、デザイン的な演出です。
ランクル250の開発陣は「過去のランクルシリーズが持つ力強いシルエット」を意識しており、その中でも“分厚いルーフ”はランドクルーザーらしさの象徴の一つ。

切り返しを設けることで、ルーフ部分が厚みを持って見え、視覚的に重厚感を演出しています。
これは単なるデザインではなく、「ランクルらしさ」を現代のフォルムに落とし込むための工夫といえるでしょう。

ソース トヨタ開発陣渡辺主査のインタビューより

3. 実用性を考慮した部品取り付けのため

そして3つ目の理由は、まさにランドクルーザーらしい「実用性」です。
開発段階で、Aピラーには渡河時に必要な吸気シュノーケル、Dピラーには排気用シュノーケルを取り付けることを想定していたとのこと。

シュノーケルは、オフロード走行や川渡りなどでエンジンや排気系への浸水を防ぐための装備です。
切り返し部分を設けることで、こうした部品をしっかりと固定し、外観に馴染ませることができます。

これこそ「世界中の過酷な環境で使われるランクル」らしい設計思想と言えるでしょう。

ソース トヨタ開発陣渡辺主査のインタビューより

ランクル250の切り返しは「機能とデザインの融合」

こうして理由を見ていくと、この切り返しは単なるデザイン装飾ではなく、ツートンカラー時の美観、歴代モデルの継承、そして実用性という3つの目的が詰め込まれていることが分かります。

日常で乗るだけでは気づかない部分にも、しっかりとした意図と機能が込められているのがランクル250の魅力。

もしあなたがこれからランクル250を購入予定なら、この切り返し部分もぜひチェックしてみてください。
そして、将来的にシュノーケル装着などのカスタムを考えている方にとっては、このデザインが活きてくるかもしれません。

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